うつで休職した話

体調と治療の記録

うつの原因が知りたい

治療していく中で、私が自分のうつ状況を把握するために判断材料にしたのは、「ベックうつ病調査表」だ。

これは21問の質問に4段階で回答していくもので、うつ病の克服本として有名な「いやな気分よ、さようなら」で紹介されていて知った。

私のテスト結果は、うつ病と診断された直後は31点で「重いうつ状態」だった。それから7か月後の今は11点の「軽いうつ状態」。自分の状態が改善してきたことが、テストを通しても分かる。

私はいつも手計算していたが、得点を集計してくれるサイトがあった。

www.sannoclinic.jp

 

治療を始めて動ける時間が増えてきてからは、病気になった原因とこれからの対策を考えるようになった。

私なりに考えた原因は以下。

  • 上司に強く叱咤されるのが嫌だった。上司は社内でもパワハラで有名な人。結構な頻度で1日30分以上は立たされ怒られていた記憶がある。
  • 昇格と仕事内容変更によるプレッシャー
  • 結婚で生活環境の変化

「上司の期待に応えなければ」

「昇格したんだからもっと仕事ができるようにならなくちゃ」

「家のこともちゃんとしなくちゃ」

こうして、 ” 〜しなければ ” という義務感が増えていった。しんどかった。

でも、「辛いけど他のみんなだって頑張ってるんだから私も頑張らないと。過去にも今よりもっと辛い状況もあったけど、乗り越えてきたし。今回もできるはず。」と睡眠を削り仕事の情報収集をしたり、家のことをやったりすることも多かった。

それでもなかなか上手くいかなかった。むしろ頑張りが結果に繋がらない、認めてもらえないもどかしさが募った。何をしてもダメな気がしてきて、きっと明日も上司に立たされ怒られるんだろうな・・・と思うと悔しくて情けなくてやるせなくて、涙が出て眠れない日が増えていった。

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こんな状況が続き、気付いたら体が悲鳴を上げてしまった。

なんで私が・・・ストレスには強いって言われてきたのに・・・と思っていた時、下園壮太さんの「自衛隊メンタル教官が教える 心の疲れをとる技術」「自衛隊メンタル教官が教える 人間関係の疲れをとる技術」を読んで、書かれていたうつになるメカニズムに妙に納得した。これはうつになった知人から、下園壮太さんの講座を聞いたら楽になったと聞き、ネットで調べて見つけた本だ。

この本で私がなるほど〜と思ったことを要約して記す。

まず、ムリは3段階で進行する。

 

1段階目は普通の過労段階。

 

2段階目になると、いつもの2倍疲労を感じやすく、疲労回復にも普段の2倍の時間がかかるようになる。ここで体の不調も現れ、不眠・頭痛・だるさ・目や肩腰の痛み・吐き気・めまい・耳鳴りなどがある。

 

3段階目で、心の不調が出てくる。やたら不安になり、自分を責め、自信をなくす。自分が元気な時には見られなかった症状が出て、ついには死にたいと考え始めることもある。通常なら自分でもその苦しみの異常さに気がつくが、それをムリのせいだとは気づかない。それどころか、「単に、自分の能力や努力が足りないだけだ。もっと頑張らねば。」と考え、ムリにムリを重ねてしまう。そうなると、ムリは一気に加速する。

 

この段階で周囲が異変に感付き「最近少しイライラしているよね」「何だか疲れているよね」と噂されることが多い。(私の場合はここで気づいてもらえた。)しかし、能力の高い人や若い人だと周囲に全く気付かれないケースもある。自分の能力の無さ(実際にはムリのせい)を悟られたくないと考え、必死に隠そうとし、それができてしまうからだ。

 

また、人はムリを自覚できないこともある。その理由の1つが、ライフイベントなどの日常的な出来事がたまたま重なったことによる疲労が、意外とムリのベースになっていることだ。「疲れている」と認識できず、眠るという最大の疲労回復のチャンスを奪い、知らない間に「第二段階のムリ」に陥ってしまう。

 

ライフイベントのストレス例は以下に記す。各イベントの点数によって心身の不調に陥るリスクが高まる。結婚やクリスマスなどポジティブなイベントもストレスが高いことが分かる。

配偶者の死 100

離別 73

別居 65

結婚 50

家族の増加 39

新しい仕事 39

夫婦喧嘩増加 35

百万円以上借金 31

預貯金の消滅 30

仕事の責任変化 29

生活リズム変化 24

習慣の変化 24

上司とトラブル 23

労働環境変化 20

転居 20

睡眠リズム変化 16

同居人の変化 15

長期休暇 13

クリスマス 11

軽度な法律違反 11、

などなど。

 

心身の不調の発生率は、150点以下:30%、150〜300点:50%、300以上:80%だ。(ちなみに、私の今年1年間のストレスイベントは300点以上だった。ほとんどの人が心身に不調をきたすレベル。全く意識できていなかった。)

 

さらに、ムリを自覚しにくくするのが、他の人や過去の自分と比較して、今の自分を評価する思考だ。この癖のある人は、自分と他人を比較し、「確かに私は大変だけど、他の人だって同じように大変なのに頑張っているんだし」と思ってしまう。そうするとムリを自覚しにくくなる。しかし、この大変さの比較は、同じ仕事場だけを見てしていることが多い。つまり、その他のライフイベントなどの日常的なストレスを加味していない点で不正確だ。また、自分の年齢による体力の低下を考えておらず、「昔はできたから今回もできるはず」と考えてしまう。

 

私、ぜーんぶドンピシャなんですけど。

ちなみに外部リンクで下園さんが述べていることのまとめはこんな感じ。

https://dot.asahi.com/dot/2017110200109.html?page=1

 

私はムリを重ねてうつになった。今後はムリを重ねない為にも、人間の疲れのメカニズムを頭に入れておいておこうと思う。疲れを自分の感覚だけで判断せず、客観的に疲れとムリを認識して休息をコントロールしよう。

  

だがこの他に、私の潜在的な義務感の強さや、完璧主義的思考もうつの一因になっているのではと感じた。というのも、よく周りの人から「真面目だね〜」とか、「もっと手を抜くところは抜きなよ」と言われていたからだ。もっと自分に休むことを許せていたら、疲れを感じた時に休めたのかもしれない。

つまり、今後の対策として認知行動療法も必要だと思った。今後その辺のことも記載していこうと思う。