うつの原因「認知の歪み」を修正するには
前回の記事で、うつを引き起こす10個の”認知の歪み”について記した。
1. 全か無か思考
2. 一般化のしすぎ
3. 心のフィルター
4. マイナス化思考
5. 結論の飛躍
6. 拡大解釈(破滅化)と過小評価
7. 感情的決めつけ
8. すべき思考
9. レッテル貼り
10. 個人化
各項目の説明は前回の記事へ。
うつを認知の面から改善するためには、この”認知の歪み”が日常生活でどのように発動されているのかを知り、修正していく必要がある。
私が一番効果を実感したワークは、出来事に対する自動的な思考(=認知の歪み)と、それへの合理的な考えを記していく方法だった。
実際に自分がネガティブな感情を抱いた出来事について、「出来事」「感情」「自分の思考」「認知の歪み」「合理的な考え」を書いていくものだ。
頭の中で考えるよりも、紙に書く方が何倍も効果があった。というのも、紙に書いた方が、いかに自分の思考が論理的でないかがよーく分かったのだ。
ちなみに、やっとお散歩に出る気力が出てきたレベルの私にとって、”書く”という作業にはなかなかモチベーションが上がらなかった。
ならば楽しい事とくっつけよう!と、近所のお気に入りのカフェで、カプチーノとデザートをたしなみながらやることにした。
(おかげで太った。だってケーキ3つセットっていう夢のプレートがあるんだもん。)
「歪んだ考えの日常記録」の例として、私のある1日の赤裸々な記録が以下。
”認知の歪み”の種類は最初迷ったが、10個のうちならこれかな?と思うものを選んだ。ちょっと違ってたかもしれないが、気にせずにやってみた。私の自動思考には、「全か無か思考」「一般化のしすぎ」「結論の飛躍」「感情的決めつけ」「すべき思考」が多かった。それらを合理的な考えに置き換えていくと、ちょっとモヤっとする部分は残っても、結構スッキリした。
うつで体が言うことを聞かない時は特に、ちょっとの事でイライラしたり、「あー自分はダメだ」って思ってしまう。その証拠に、すごいちっぽけな事でめっちゃイライラしている。
こんなことでイライラしてたのかよー、、と思われるだろう。
でも、当時の私にとって花市場へ外出することは、カフェに行くことと並んで、唯一幸せを感じられる瞬間であり、自分が回復している実感を得られる貴重な時間だったのだ。前から予定して楽しみにしていたのに、それが出来ないと逆に自分に失望してしまうのだ。
でもこれを1度紙に書き出してからは、同じように立てた予定をこなせなくても、他のやり方でいい日にできるんだからいいや♪と、自分の思考を合理的な方向に修正できる回数が増えていった。
この「歪んだ考えの日常記録」を一定期間継続するうちに、徐々にだが歪んだ思考のクセを合理的な方向に修正できていく感じがあった。