始まりは突然の頭痛
私はいわゆる中堅人材。部下はいないけど役職をいただき、お客さんにも恵まれた。日々、営業成績を上げないと!新しいことに挑戦しないと!と躍起になっていた。
休日はマッサージに行って疲れを取ったり、自然の中に出掛けリラックスしたりと、ワークライフバランスはうまくやっているつもりだった。
ある週末、土曜日にマッサージ、日曜日は大自然の中にドライブへ。良い週末。
しかしドライブの帰り道から、とてつもなく激しい頭痛に襲われた。
「ガンガン」なんて表面的な痛みじゃない。「グァ〜ングァ〜ン」っていう頭の深い所から湧いてくる、鋭くて重くて今まで経験したことのない痛み。頭がねじくり返りそうな程痛い。
おまけに目眩も吐き気もする。私の家系は脳梗塞、くも膜下出血がいる。嫌な感じだ。心配が頭をよぎり、私が「脳梗塞だったらどうしよう…」とつぶやくと、一気に旦那が慌てふためく。
「大丈夫か!? 病院行くか!? 救急車呼ぶか!?」
全部のセリフをいちいち大声で言わないでほしい。頭に響く。
振り絞る声で「救急車はまだ大丈夫…救急病院に電話して相談してみる…」と言う。すると、
「辛いよな!! 大丈夫か!? ちょっと病院調べるわ!!」
だから声がでかい。でも注意する元気もない。それに心配してくれてる訳だし我慢しよう。でも、旦那は脳梗塞の症状や、どこの病院にかかったらいいか等の知識は無いはず。ちゃんと調べられるのか、色んな意味でマジで頭が痛い。
するとその時、夜会う約束をしていた妹が心配して家まで来てくれた。旦那と比べると救世主に見えた。
結局、妹が夜間病院に電話してくれ、症状と心配している脳梗塞の事をテキパキ伝えてくれた。病院の方曰く、実際に吐いていないのなら様子を見ましょう、との事。
翌朝、頭痛はマシにはなったが無くならなかった。まだ少し目眩もする。
会社は午前休をもらい頭痛外来に行った。
レントゲンを撮ると、見事なストレートネック。ストレートネックだと、頭を支えるために首肩の筋肉に負担がかかり、凝り固まって血流が悪くなり頭痛になりやすいらしい。
続いてMRIも撮影。私は歯科矯正をしているので金属がダメなんじゃないかと思ったが、MRIでは大丈夫とのことだった。
しかし、いざ撮り始めると焦りだす技師さん。何やら通常より強い金属が入っているのか、磁場が乱れて大事な所がほとんど撮影出来ないらしい。
ナンテコッタ。歯科矯正しているとMRIが撮れないというリスクがあるなんて。
結果、診断は「偏頭痛」。マッサージで急激に血流が良くなったのと、夜間のドライブで車のライトが眩しかったのが原因だろうとの事。
偏頭痛ってそんな急になるものなのだろうか。とりあえず偏頭痛用の痛み止めと、首肩周りの筋肉を緩める薬を貰った。
念のため他の頭痛外来にも行ったが、どこも同じような診断だった。
薬を飲んで、教えてもらった頭痛体操も続けたが、あまり良くならない。
特に午前中は頭痛と目眩がひどく、ベットから出られない。会社も午後から行く日が続いた。