うつで休職した話

体調と治療の記録

自己肯定感を他人からの賞賛に頼るデメリット

私には「自己価値感を感じながらモチベーションを持って働く」ということがすごく難しかった。モチベーション発信で仕事をしている人、自分が望む仕事を嬉々としてしているような人は、そんなことはないのかもしれない。入社当初からやりたかった仕事はさせてもらえずに歩んできた私は、組織における自己価値を見出せないでいた。仕事がうまくいかないのは、仕事内容が合っていないからだと思っていた。思えば一種の自己防衛だったのかもしれない。

実際のところ、私がうつになってしまったのは、仕事が合わなかったことが直接的な原因ではない。と、思う。原因は、自己価値感や自己肯定感が低かったこと、それを高める方法が分からなかったことが大きかったように思う。肯定感を自ら生み出すことができずに、自己価値の基準を他人に求めていたからだ。

私は根っこの部分で、自分はこの仕事に向いてない、そもそも社会人として私が仕事ができるタイプな訳がない、と思っていた。

私の会社には、頭がとてもキレるいわゆるデキる人が数多くおり、その方々の自己主張はめちゃ強かった。その人たちと自分と比較しては、少しだけ伸びた自信の芽を自らポキポキ折っていた。自分を卑下しすぎてもダメだと言われてからは、背伸びしてデキるふりをしていた。でも、いつも命を脅かされているような、どこに向かえばいいのかも分からない、群れからはぐれた小猿のような不安感があった。

これほど自信がなかったのも、何を隠そう、私は金融マンのくせに数字が苦手だったからだ。根っからの文系で、感情とか感性で理解するタイプだし、論理的に説明するのが苦手。数字が大の苦手で、浪人して苦手な数学に最も時間をかけたにもかかわらず、センター試験の数ⅡBで30点台を取った。自他共に認める数学苦手脳。内定をもらった時には、周りから「お前が金融に!?」と驚かれたものだった。この時から、私は何かの間違いでこの会社に入ってしまったのだ、と細く長く思っていた。

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4年目くらいでポツポツ大きめの仕事をもらえるようになった時、あまりにも仕事を回すのが下手すぎて、自分が迷惑をかけてばかりに感じ、辞めた方がいいかもしれないと思ったことがあった。でも、普段は厳しい課長が「あいつはこの仕事に向いてるよ」と先輩に言ってたのを又聞きして、「そうなんだ〜一番私のことを見てくれてる課長が言うなら、私ここにいていいのかな!」と思った。なんて単純。

つまり、ちゃっかりと私は周りの評価によって自分の立ち位置を決めていたのだ。自分が認めるに値する人間なのか、この会社にいていいのか、を他人の意見で判断していた。周りの人からの肯定の言葉はあくまで仕事においての意見なのに、それを自分の人格肯定のようにも感じていた。

 

そうしてきた分、逆の場面では他人と一緒になって自分を攻撃した。上司から否定され続けた日々で、私は自己否定を強めてしまった。それが、私にとっては危機となってしまった。

 

自己肯定感や自己価値感を他人からの賞賛に頼ってしまう。

でも、そもそも、そんなものは”自己肯定”ではない。

”価値”という言葉にも、惑わされてないけない。

組織における、仕事スピードにおける価値ならば、私は低かったかもしれない。でも、組織における、色んな人やお客さんとほんわり仲良くなれる潤滑油部門においては、結構価値が高かったと思う。

家族における”価値”では、欠かせない一員である。

友達における、ほんわり部門筆頭である。

命ある存在である。それだけで十分だ。

価値というものは、何か一つの面だけで測れるものではない。

他人から与えられるものでもない。

 

どんなにヘマしても、あの時こうしてればよかったと思うことがあっても、私という人間の価値が損なわれる訳ではないんだよなあ。

 

批判への対処法

私は元来のんびり屋だが、ここ2〜3年、昔に比べ喧嘩っ早くなった気がしていた。結婚してから旦那から色んな事を言われるし、会社の上司の指導にも歯向かう思考がどんどん浮かんでくるようになった。プライドが高くなった?感情的になってしまっている?もっと円満にやりたいのに・・けど止められない。

怒りに駆られると、心臓の鼓動は早くなるし夜遅くでも頭は冴えちゃうし。怒りが溜まって自分の精神を疲れさせていた自覚はある。

批判への対処法もバーンズ先生の著書にあり、効果もあったので紹介する。

 

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私たちは批判された時、ある否定的な考えが自動的に頭に浮かんでくる。

感情はこれらの自分の考えに反応しているのであって、他人の言った事に反応しているのではない。

     

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そして、心を動揺させる考えは必ず「一般化のしすぎ」「全か無かの思考」「心のフィルター」「レッテル貼り」等のような認知の歪みがある。

*認知の歪みのパターンについては過去記事へ

souplino.hatenablog.com

souplino.hatenablog.com

例えば私の場合、旦那が私がやった事が気に入らないと「いい加減にしてくれよ」的なことをたまに言う。そうすると、

(そっちがやらないから私がやってるのに。こっちだって体調しんどいのに。私がやって当然みたいな。末っ子思考だよね。しかもいっつもそっちから嫌味言ってきて喧嘩になるよね。感情的にならずにもっと建設的な会話してよね。)

という心の声が出てくる。

心の声にある思考の歪みは、一般化のしすぎ、すべき思考、レッテル貼り、、、なるほど確かに。これは修正していく必要がある。

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批判されると嫌な理由は他にも色々ある。

自分が満足するために他人の愛情や賞賛に頼っているなら、批判されるのは怖い事かもしれない。でもそれは、自分の全エネルギーを人を喜ばせる事に向ける事になり、自分の想像的で生産的な暮らしのための余力が無くなる。その結果、逆につならない人間だと思われてしまうかもしれない。

また、批判されるとついつい自己防衛のため反発したり、自信をなくしたりしがちだ。

受けた批判についてはどう対処すればいいのか。誰かに批判された時、どう言い返し、難しい状況で優越感や自信を高めていくためにはどうしたらいいのか。

 

 

まず、批判された時の選択肢には3つある。

  1. そこにとどまって言い返す …たいてい言い争いになりお互いに傷つく
  2. 逃げたり攻撃の矢をかわそうとする …恥をかくことになるし面目も失う
  3. その場に留まってうまく相手を無力化する …上の2つに比べ断然満足出来る。相手も自分が勝ったとは思わなくなる。

この3つ目の選択肢「相手を無力化する」に持ち込むことができれば良い。

そのためには3つのステップがある。 

 

第1ステップ 共感

批判する人が言うことは、正しいのか間違っているのか、またはその中間のどこかにある。相手が何にイライラしているのか、質問し理解する。

「私のどこに腹を立てているの?はっきり言って欲しい。」

相手が言った事に対しては

「なるほど、〜の行動に対して〜感じていたのね。他にはある?」

と相手が感ていることを正確に理解できるように質問していく。そうすることで、全面的に拒絶される事を回避する。この時、価値判断を挟まないようにする。

 

第2ステップ 批判の武装解除

相手が言っている内容がナンセンスだと思っても、その批判の中に「原則的に」共感できるものを探す。

気を付けることは3つ。

  1. 言われたことには何であれ、何らかの方法で共感する
  2. 嫌味や弁護は避ける
  3. 常に真実を話す

例として、私が家の水回りコーティングをどこの業者でやるか調べまくっていることに、旦那がうんざりしていた時のことを。 

旦那「本当に分からんわ、、もう、、」 (意訳:いい加減にしてくれよ)

私「そうだよね、私もやりすぎだって思ってる。」

旦那「うんざりするわ、もう。でも、こだわりたいんでしょ。はいはい勝手にどうぞ。」

私「私もささっと決めたいんだけど、、旦那くんを煩わせちゃってるよね。せっかく旦那くんも業者に見積もりお願いしてくれたりしたのにね。私がやり出したから時間がかかってるね。」

旦那「もっと早くから俺がちゃんとやっとけばよかったわ。」

私「そしたらもっと早い時期に決められたかもしれないね。」

相手が批判している私の行動を理解し、気持ちに共感していく。この段階で、相手の中で燃えていた批判はたいてい熱を失う。こちらが同調することで、相手は攻撃の矢が尽きてしまい、無力になる。批判が鎮静するにつれて、相手も対話しやすい良い気分になっていく。

 でもここで、こんな心の声が聞こえてくる。

(なんて嫌味な言い方なの!「俺がちゃんとやっとけば良かった」って?いっつも自発的にはやらないくせに。しかも”ちゃんと”って何だし!私がちゃんとやってないってか。私だって、時間費やしてコーティングの性能とコスパを比較検討して結構しっかり考えてるのに。)

こんな風に思うのは、責められた時に、自分自身を心底から守らずにはとてもいられない傾向があるからだ。自分は正しい、相手が間違っていると知らしめたいのだ。

これが”誤りの根源だ”と、バーンズ先生は言っている。”皮肉なことに、自分を守るごとにその人の兵器庫に自分で弾を補充することになる”と。

敵対者からの批判を強めるような反応をして全面戦争するのではなく、相手の言っていることを理解して共感すれば、敵対者はこちらが敬意を払ってくれているように感じ、落ち着いていく。

  

第三段階 フィードバックと交渉

相手が武装を解いたら、自分の立場と感情を手際よくはっきり説明できる立場に立てる。

私「とりあえず今回は、来週中にはどこの業者に依頼するか決めたいよね。見積もり依頼してるところもあるから、あと2〜3社見積もりが来たら性能とコスパを比較してみるから、また相談するね。」

旦那「分かった。来週には絶対決めよう。」

こうして一件落着。今後は文句を言われず、私は納得いくまで業者選定ができる。

仮に相手の言っていることが明らかに間違っている事実に基づき批判してたとしても、「勘違いだよ!こうだし!」と跳ね除けるのではなく、こう言う。

「私が勘違いしていたのかも。旦那くんの言っていることは私の記憶とは違っていて、、実際どっちだったかはっきりしないよね。お互いに間違えることもあるから、面倒だけど念のため〜を確認してもらえない?」

 

 

自分こそ正しいのだという怒りの感情を表せば、一時的にはスッキリするかもしれない。でも、いくら自分の正当性を主張し、相手をちっぽけな奴だと思い知らせようとしても、残念ながら相手も自分が正しいと思っているのでそれを認めない。こうした積み重ねで、長い目で見れば人間関係が壊れてしまいかねない。感情の爆発は結局自分に損になる。

批判は、まずは「この批判の中に少しでも真実があるのではないか」という姿勢で受け止めよう。相手の批判内容を正確に理解し、共感を示し、武装解除してもらう。

妥協が必要なら交渉し、自分が間違っていたらそれを認め、批判が間違っていたら簡潔に指摘する。

ここで大切なのは、自分の行動が正しかろうが間違っていようが、人間としては正しいということ。

批判は、自分の価値が問題なのではない。自分の行動に対して相手が抱いた感情が問題になっているのだ。

だから、批判されることは怖くない。

批判を認めても、自分の価値が下がる訳ではないから。

自分への信頼を持って、少なくとも持っているように振る舞おう。そしたらだんだん染み付いてくるものだろう。

 

David D, Burns (2013) いやな気分よ、さようなら コンパクト版 132-150 

うつの原因「認知の歪み」を修正するには

前回の記事で、うつを引き起こす10個の”認知の歪み”について記した。

1. 全か無か思考

2. 一般化のしすぎ

3. 心のフィルター

4. マイナス化思考

5. 結論の飛躍

6. 拡大解釈(破滅化)と過小評価

7. 感情的決めつけ

8. すべき思考

9. レッテル貼り

10.  個人化

各項目の説明は前回の記事へ。

souplino.hatenablog.com

 

うつを認知の面から改善するためには、この”認知の歪み”が日常生活でどのように発動されているのかを知り、修正していく必要がある。

私が一番効果を実感したワークは、出来事に対する自動的な思考(=認知の歪み)と、それへの合理的な考えを記していく方法だった。

実際に自分がネガティブな感情を抱いた出来事について、「出来事」「感情」「自分の思考」「認知の歪み」「合理的な考え」を書いていくものだ。

頭の中で考えるよりも、紙に書く方が何倍も効果があった。というのも、紙に書いた方が、いかに自分の思考が論理的でないかがよーく分かったのだ。

 

ちなみに、やっとお散歩に出る気力が出てきたレベルの私にとって、”書く”という作業にはなかなかモチベーションが上がらなかった。

ならば楽しい事とくっつけよう!と、近所のお気に入りのカフェで、カプチーノとデザートをたしなみながらやることにした。

(おかげで太った。だってケーキ3つセットっていう夢のプレートがあるんだもん。)

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「歪んだ考えの日常記録」の例として、私のある1日の赤裸々な記録が以下。

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”認知の歪み”の種類は最初迷ったが、10個のうちならこれかな?と思うものを選んだ。ちょっと違ってたかもしれないが、気にせずにやってみた。私の自動思考には、「全か無か思考」「一般化のしすぎ」「結論の飛躍」「感情的決めつけ」「すべき思考」が多かった。それらを合理的な考えに置き換えていくと、ちょっとモヤっとする部分は残っても、結構スッキリした。

うつで体が言うことを聞かない時は特に、ちょっとの事でイライラしたり、「あー自分はダメだ」って思ってしまう。その証拠に、すごいちっぽけな事でめっちゃイライラしている。

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こんなことでイライラしてたのかよー、、と思われるだろう。

でも、当時の私にとって花市場へ外出することは、カフェに行くことと並んで、唯一幸せを感じられる瞬間であり、自分が回復している実感を得られる貴重な時間だったのだ。前から予定して楽しみにしていたのに、それが出来ないと逆に自分に失望してしまうのだ。

でもこれを1度紙に書き出してからは、同じように立てた予定をこなせなくても、他のやり方でいい日にできるんだからいいや♪と、自分の思考を合理的な方向に修正できる回数が増えていった。

この「歪んだ考えの日常記録」を一定期間継続するうちに、徐々にだが歪んだ思考のクセを合理的な方向に修正できていく感じがあった。

うつを引き起こす10の思考パターン

自分の考え方のクセが、うつの原因となったのではと思うようになった。

というのも、よく「真面目な人ほど鬱になりやすい」というフレーズを目にしたからだ。

鬱をカミングアウトしたタレントの高木美保さんも、自身のことを”前向き病だった”とか、”うつの状態に陥る人というのは、ある意味、生真面目で心配性”と語っていた。私もどちらかというと手を抜けない真面目タイプで、逆境でも弱音は吐かず頑張って進むタイプ。でも、それが良い事だと思っていたから、むしろ誇りに思い生きていた。

今思えば、その型にはまった真面目な思考が

 

 「課題はあるけど、こうすれば乗り越えられる」

 「こうするのがベストだから、やらなくちゃ」

 

という義務感を作っていた。それは仕事のみならず、家庭においても。

 

 「明日は雨だから今日のうちに全部洗濯しとかないと」

 「ご飯は手作りが添加物が少なくて良いから、毎日手作りしたい」

 

といった具合。これが思った通りにできないとイライラして仕方なかった。

さらに、自分の思っている事がベストで正論だと思い込んでいるから、その考えの通りに周りが動かないとイライラしていた。

 

 「上司だからと言って、部下をいくらでもコキおろしていい訳じゃない。言って

  いることが正しくても伝え方というものがあるだろう。その位のことも理解

  していないなんて、ロクな人じゃない」

 「あの人、相手によって対応を変えすぎ。良くない事だし、見ていてイラつく」

 「共働き夫婦なんだから、旦那だって洗濯物くらい上手に干して欲しい」

 

こーゆー話、よくお酒を飲みながら愚痴ったもんだ。よくある話だと思っていたし、そんなに深刻に考えているつもりもなかった。

でももしかしたら私は、この〜すべき理論を人一倍強く思い、ネガティブな感情を他の人が感じる何倍かの強さで真に受けていたのかもしれない。

このような自分の感覚を相手に押し付ける思考が新たなストレスを生み、自分を苦しめていったんだろう。そしてこの他にも無意識のうちに自分をうつに追いやった思考パターンがあるのではないか。

そういった思考のクセを変えない限り、今回うつ病から回復しても、将来再発してしまうのではないか。

将来に不安感が募った。

認知行動療法の施設に通おうとも思ったが、お金もかかるし、どこが良い施設なのかさっぱり分からなかった。

そこで出会ったのが、デビッド・d・バーンズの『いやな気分よ さようなら コンパクト版 自分で学ぶ「抑うつ」克服法』だ。うつ病のバイブルとも言われる名著のコンパクト版。

 

item.rakuten.co.jp

 

この本の冒頭で、ある読書療法の実験が紹介されていた(1990年前後)。

中程度のうつ病の人を2グループに分け、一方にはこの本を4週間以内に読んでもらい、もう一方には4週間後にこの本を読ませた。

すると、この本を4週間以内に読んだグループは4週間後にはうつ症状の著しい改善が見られ、ベックうつ病検査でも正常値だったという。もう一方のグループは4週間後でもうつ状態は横ばいだったが、この本を読んだ後には同様の改善が見られた。

*1

これは私にとって希望だった。

薬を使わなくても、認知行動療法を、それも読書を通して、うつ病を改善できるのだと。この本を基に、まず独自に認知行動療法をやってみることにした。

 

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私たちの感情は、目の前に起こる出来事を解釈した結果生まれる。出来事そのものに良い悪いは無い。私の場合、その解釈に、うつになりやすいクセがあるのだろう。

その認知のクセを、本書では”認知の歪み”として10個の思考パターンが定義されていた。*2

 

 

1. 全か無か思考

ものごとを白か黒のどちらかで考える思考法。少しでもミスがあれば、完全な失敗と考えてしまう。

 

2. 一般化のしすぎ

たった1つの良くない出来事があると、世の中全てこれだ、と考える。

 

3. 心のフィルター

たった1つの良くないことにこだわって、そればかりくよくよ考え、現実を見る目が暗くなってしまう。ちょうどたった1滴のインクがコップ全体の水を黒くしてしまうように。

 

4. マイナス化思考

なぜか良い出来事を無視してしまうので、日々の生活が全てマイナスのものになってしまう。

 

5. 結論の飛躍

根拠もないのに悲観的な結論を出してしまう。

 a. 心の読みすぎ:ある人があなたに悪く反応したと早合点してしまう

 b. 先読みの誤り:事態は確実に悪くなる、と決めつける

 

6. 拡大解釈(破滅化)と過小評価

自分の失敗を過大に考え、長所を過小評価する。逆に他人の成功を過大に評価し、他人の欠点を見逃す。双眼鏡のトリックとも言う

 

7. 感情的決めつけ

自分の憂鬱な感情は現実をリアルに反映している、と考える。「こう感じるんだから、それは本当のことだ」

 

8. すべき思考

何かをやろうとする時に「〜すべき」「〜すべきでない」と考える。あたかもそうしないと罰でも受けるかのように感じ、罪の意識をもちやすい。他人にこれを向けると、怒りや葛藤を感じる

 

9. レッテル貼り

極端な形の「一般化のしすぎ」である。ミスを犯した時に、どうミスを犯したかを考える代わりに自分にレッテルを貼ってしまう。「自分は落伍者だ」他人が自分の神経を逆なでした時には「あのろくでなし!」というふうに相手にレッテルを貼ってしまう。そのレッテルは感情的で偏見に満ちている

 

10. 個人化

何か良くないことが起こった時、自分に責任がないような場合にも自分のせいにしてしまう。

 

 

このような10種類の認知の歪みが、うつ病の多くの症状を引き起こしているという。

私の場合、日々の出来事の解釈においてこの認知の歪みが発動してしまっていないか?と考えていくだけでも、この歪みがいかに私の日常に浸透してしまっていたか痛感した。

 

 

*1:Scogin, F., Jamison, C., & Gochneaut, K. (1989). The comparative efficacy of cognitive and behavioral bibliotherapy for mildy and moderately depressed older adults. Jounal of Consulting and Clinical Psychology, 57, 403-407

Scogin, F., Hamblin, D., & Beutler, L. (1987). Biobliothrapy for depressed older adults:A self-help alternative. The Gerontologist, 27, 383-387

Scogin, F., Jamison, C., & Davis, N. (1990). A two-year follow-up of the effects of bibliotherapy for depressed older aduots. Journal of Consulting and Clinical Psychology, 58, 665-667

Jamison, C., & Scogin, F. (1995). Outcome of cognitive bibliotherapy with depressed adults. Journal of Consulting and Clinical Psychology, 63, 644-650

Smith, N. M., Floyd, M. R., Jamison, C., & Scogin, F. (1997). Three-year  follow-up of bibliotherapy for depression. Journal of Consulting and Clinical Psychology, 65(2), 324-327

*2:David D, Burns (2013) いやな気分よ、さようなら コンパクト版 xii-xiii, 35

うつの原因が知りたい

治療していく中で、私が自分のうつ状況を把握するために判断材料にしたのは、「ベックうつ病調査表」だ。

これは21問の質問に4段階で回答していくもので、うつ病の克服本として有名な「いやな気分よ、さようなら」で紹介されていて知った。

私のテスト結果は、うつ病と診断された直後は31点で「重いうつ状態」だった。それから7か月後の今は11点の「軽いうつ状態」。自分の状態が改善してきたことが、テストを通しても分かる。

私はいつも手計算していたが、得点を集計してくれるサイトがあった。

www.sannoclinic.jp

 

治療を始めて動ける時間が増えてきてからは、病気になった原因とこれからの対策を考えるようになった。

私なりに考えた原因は以下。

  • 上司に強く叱咤されるのが嫌だった。上司は社内でもパワハラで有名な人。結構な頻度で1日30分以上は立たされ怒られていた記憶がある。
  • 昇格と仕事内容変更によるプレッシャー
  • 結婚で生活環境の変化

「上司の期待に応えなければ」

「昇格したんだからもっと仕事ができるようにならなくちゃ」

「家のこともちゃんとしなくちゃ」

こうして、 ” 〜しなければ ” という義務感が増えていった。しんどかった。

でも、「辛いけど他のみんなだって頑張ってるんだから私も頑張らないと。過去にも今よりもっと辛い状況もあったけど、乗り越えてきたし。今回もできるはず。」と睡眠を削り仕事の情報収集をしたり、家のことをやったりすることも多かった。

それでもなかなか上手くいかなかった。むしろ頑張りが結果に繋がらない、認めてもらえないもどかしさが募った。何をしてもダメな気がしてきて、きっと明日も上司に立たされ怒られるんだろうな・・・と思うと悔しくて情けなくてやるせなくて、涙が出て眠れない日が増えていった。

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こんな状況が続き、気付いたら体が悲鳴を上げてしまった。

なんで私が・・・ストレスには強いって言われてきたのに・・・と思っていた時、下園壮太さんの「自衛隊メンタル教官が教える 心の疲れをとる技術」「自衛隊メンタル教官が教える 人間関係の疲れをとる技術」を読んで、書かれていたうつになるメカニズムに妙に納得した。これはうつになった知人から、下園壮太さんの講座を聞いたら楽になったと聞き、ネットで調べて見つけた本だ。

この本で私がなるほど〜と思ったことを要約して記す。

まず、ムリは3段階で進行する。

 

1段階目は普通の過労段階。

 

2段階目になると、いつもの2倍疲労を感じやすく、疲労回復にも普段の2倍の時間がかかるようになる。ここで体の不調も現れ、不眠・頭痛・だるさ・目や肩腰の痛み・吐き気・めまい・耳鳴りなどがある。

 

3段階目で、心の不調が出てくる。やたら不安になり、自分を責め、自信をなくす。自分が元気な時には見られなかった症状が出て、ついには死にたいと考え始めることもある。通常なら自分でもその苦しみの異常さに気がつくが、それをムリのせいだとは気づかない。それどころか、「単に、自分の能力や努力が足りないだけだ。もっと頑張らねば。」と考え、ムリにムリを重ねてしまう。そうなると、ムリは一気に加速する。

 

この段階で周囲が異変に感付き「最近少しイライラしているよね」「何だか疲れているよね」と噂されることが多い。(私の場合はここで気づいてもらえた。)しかし、能力の高い人や若い人だと周囲に全く気付かれないケースもある。自分の能力の無さ(実際にはムリのせい)を悟られたくないと考え、必死に隠そうとし、それができてしまうからだ。

 

また、人はムリを自覚できないこともある。その理由の1つが、ライフイベントなどの日常的な出来事がたまたま重なったことによる疲労が、意外とムリのベースになっていることだ。「疲れている」と認識できず、眠るという最大の疲労回復のチャンスを奪い、知らない間に「第二段階のムリ」に陥ってしまう。

 

ライフイベントのストレス例は以下に記す。各イベントの点数によって心身の不調に陥るリスクが高まる。結婚やクリスマスなどポジティブなイベントもストレスが高いことが分かる。

配偶者の死 100

離別 73

別居 65

結婚 50

家族の増加 39

新しい仕事 39

夫婦喧嘩増加 35

百万円以上借金 31

預貯金の消滅 30

仕事の責任変化 29

生活リズム変化 24

習慣の変化 24

上司とトラブル 23

労働環境変化 20

転居 20

睡眠リズム変化 16

同居人の変化 15

長期休暇 13

クリスマス 11

軽度な法律違反 11、

などなど。

 

心身の不調の発生率は、150点以下:30%、150〜300点:50%、300以上:80%だ。(ちなみに、私の今年1年間のストレスイベントは300点以上だった。ほとんどの人が心身に不調をきたすレベル。全く意識できていなかった。)

 

さらに、ムリを自覚しにくくするのが、他の人や過去の自分と比較して、今の自分を評価する思考だ。この癖のある人は、自分と他人を比較し、「確かに私は大変だけど、他の人だって同じように大変なのに頑張っているんだし」と思ってしまう。そうするとムリを自覚しにくくなる。しかし、この大変さの比較は、同じ仕事場だけを見てしていることが多い。つまり、その他のライフイベントなどの日常的なストレスを加味していない点で不正確だ。また、自分の年齢による体力の低下を考えておらず、「昔はできたから今回もできるはず」と考えてしまう。

 

私、ぜーんぶドンピシャなんですけど。

ちなみに外部リンクで下園さんが述べていることのまとめはこんな感じ。

https://dot.asahi.com/dot/2017110200109.html?page=1

 

私はムリを重ねてうつになった。今後はムリを重ねない為にも、人間の疲れのメカニズムを頭に入れておいておこうと思う。疲れを自分の感覚だけで判断せず、客観的に疲れとムリを認識して休息をコントロールしよう。

  

だがこの他に、私の潜在的な義務感の強さや、完璧主義的思考もうつの一因になっているのではと感じた。というのも、よく周りの人から「真面目だね〜」とか、「もっと手を抜くところは抜きなよ」と言われていたからだ。もっと自分に休むことを許せていたら、疲れを感じた時に休めたのかもしれない。

つまり、今後の対策として認知行動療法も必要だと思った。今後その辺のことも記載していこうと思う。

断薬後の経過

断薬の離脱症状が落ち着くまでに1か月かかった。

断薬後の体調はというと、

まだ薬を飲んでいる時の方が心も体も軽かったな、とは思ってしまう。

でも、おかげで妊活ができているのだから、頑張った自分を褒めよう。

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メンタル面は徐々にではあるが、だいぶ回復してきたように思えた。

梅雨前には3日連続で表参道へ出かけたりしてみた。がしかし、翌日から発熱して寝込んだ。体調面はまだまだだと思い知らされた。

さらに休職前に比べ、生理痛がひどくなった。生理初日〜2日目はお腹と腰が激痛で横になる以外できない。思えばほとんど全く運動していないし、子宮の血の巡りが悪くなる心当たりは沢山あった。面倒でやめていた冷えとり靴下を再開した。

そうこうしているうちに、梅雨が始まった。その途端、頭痛が増え、体はズーンと重くなり、動く意欲が著しく低下してしまった。

医者によると、湿気が多かったり暑い環境だと、自律神経が普段より酷使されてしまうから、自律神経失調の症状が出やすいらしい。私はこれまで気圧症ではなかったが、神経系が弱るとこういった事も起こるのか。

低気圧が近づくと頭痛になってしまう、いわゆる気圧症の人たちもこんな感じなのだろうか。なんて辛いんだろう。気圧症のメカニズムには諸説あり、対処法がはっきりしないのがまた辛い。気圧症についてネットサーフィンしまくった結果、私が一番しっくりきたのは、低気圧により髄液の流れが悪くなり、頭痛を引き起こす説だ。

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脳と脊髄は、髄液の中に浮かんでいる状態だ。その髄液の圧力が正常より低い”脳脊髄液減少症”とか”低髄液圧症候群”の人の症状に、頸部痛、全身倦怠(疲れやすい)、めまい、吐き気、耳鳴り、うつなどがあるらしい。

私は簡単に解釈してしまうタイプなので、要は”めぐり”が良くないんだな、と考え気休めにヨガとかやってみた。効果は不明。停滞している感じがしたが、今はいつもより自律神経の働きも良くないし、体の声を良く聞くことにして無理しないで過ごした。

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梅雨が明けてからは、「今日はカフェに行こう」と思える日が増えた。生理中以外は結構動けるようになった。それでも、連続での遠出はしんどいが。これは、慣れの問題なのか。気を張っていないからなのか。でも、体が「大丈夫」というまでは休もうという医者の言葉を信じた。

 

断薬してから2か月たった頃、友人と会いたいと思うようになった。

勇気を持って休職したことを友達にカミングアウトしてから、ありがたいことに定期的にLINEしてくれる人が何人かいた。心配してくれる友達がいること、こっちのペース優先で会おうと言ってくれることが本当に嬉しかった。

自己評価が低くなりがちな日々の中、こんな自分のことを気にかけてくれる人がいることは、本当にありがたくて嬉しいものだった。

でも、近所のカフェへ行く以外の予定をこなすことは、まだハードルが高かった。

1日1つの予定はこなせるが、毎日は無理。できれば晴れの日がいい。そんな状態の中で慎重に日程を考え、友達と会った。思った以上に楽しめた。家族以外の人と会うのは本当に久しぶりで、自信にもなった。

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梅雨が長引いた今年。不調の時期が長引き、休職してから半年経ってもまだ職場復帰できそうにない。でも、すこーしずつ回復している。良くなったり、悪くなったりを繰り返しながら。

これからは自分が今どのくらい動けるようになっているかを知るためにも、運動のためにも、できる範囲で動いていこうと思う。

無理せず、できる範囲で、少しずつ。

抗うつ剤との付き合い方

私が服用した抗うつ剤サインバルタ

うつ状態の人の、意欲・気力の改善を期待して使われることが多い。

脳内の神経伝達物質である、セロトニンノルアドレナリンセロトニンとは不安を和らげる幸せホルモンで、ノルアドレナリンは意欲を高める。これらの脳内の濃度を高めるとされている。

もちろん医師の指導のもと服用したのだが、飲み始める時、色々な反対意見を耳にした。

躁鬱病の人の場合は逆に症状を助長する。躁鬱病うつ病とは判断が難しく、うつだと思っていた人が躁鬱の場合もある。」

「薬が手放せない体になってしまう」

統合失調症の原因になる」

など。根拠は不明だが心配にはなったので調べてみた。

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まず、躁鬱病を助長する話だが、調べてみると確かに”気分の波がある人には煽ってしまうリスクがあるので、落ち込みのみが目立つ人に使われることが多い”、”同じ理由で、若い人にも使いにくさがある”とあった。*1

そこで自分が躁状態になる時があるのかどうか観察したが、あくまで主観だが意欲・気力低下のみが目立つと判断した。そして30代とまあ若くはないし大丈夫だろう。

薬が手放せない体になってしまうというのは、サインバルタ神経伝達物質の再取り込みに作用する以上、体が薬に慣れてしまうのは仕方ないだろう。だから、あんまり長くは服用しないようにしようと思った。

統合失調症の原因になる、とは人から言われたことだが、調べても根拠は分からなかった。

そして服用することにしたのだが、だいぶ序盤でつまづいた。

副作用が堪え難かったのだ。

私に出た副作用は以下。

  • めまい
  • 頭痛
  • 目の奥の痛み
  • 加えて、抗うつ剤を飲み始めるという恐怖感

 

ちなみに、断薬時の副作用(離脱症状)のほうが壮絶だった。

  • 頭を動かすと、頭の中がぐわんとなる

  (ネットを見ると、頭がシャンシャンすると形容する人が多い)

  • 体がビリビリする

この2つを合わせて「シャンビリ」と言われているらしい。シャンシャンとビリビリでシャンビリ

経験者はお分かりいただけるだろうが、このシャンビリが本当に辛い。私は1ヶ月ちょっと続いた。これについては後半で。まずは服用し始めのことについて記す。

 

抗うつ剤の副作用がどう出るかどうかは体質による。私は普段から薬はあまり合わないタイプだ。

サインバルタはカプセル錠で20ミリ、30ミリのものがある。

最初は20ミリから飲み始め、効果的だと言われている40ミリまで増やすのだが、20ミリに慣れる壁が一番高かった。飲んだ翌朝、めまいと頭痛がひどかった。それでも我慢して3日くらい続けた翌朝、起きたら目が取れそうな程痛かった。目の奥から湧いてくる痛みに耐えられず目を開けてられなかった。

他の薬に替えて欲しいと訴え替えてもらったが、そっちの副作用のほうがキツかった。その時のことはこちら。

souplino.hatenablog.com

 

サインバルタとうまく付き合う方法を模索した。

普段は、慣れない薬を飲むときは半分飲んでみて、何も無ければもう半分を飲む。しかしサインバルタはカプセルなのでそうもいかない。なんでカプセルの分量は20ミリからなんだ。30ミリを作るくらいなら、10ミリを作ってくれた方が、組み合わせで30ミリにもできるし、服用し始めも断薬時も柔軟に使えるのに!何度もカプセルを切れたらと思った。

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量で調節できないので、間隔で調整した。副作用が辛い時は、無理せず副作用がおさまるのを待ってからまた飲み始めた。

すると不思議なもので、2週間ほどするとだんだん体がサインバルタ20ミリを受け入れるようになった。

今思えば2週間ぽっちだが、薬の飲み始めは、”脳内”神経伝達物質をコントロールという”脳”に作用する薬を飲む恐怖感と得体の知れない副作用で、精神的にキツかった。

しかし20ミリに慣れてしまえば、30ミリ、40ミリへ増量する時はそれほど苦しまずに済んだ。だが、脳内の神経伝達物質の取り込みをコントロールしていることへの恐怖感はあった。

 

 

そして、3か月して少しずつ活動意欲が湧いてきた頃、妊活したいと医師に打ち明けた。年齢的に妊活にも焦りがあったし、薬を長期服用しないほうがいいとも思った。

医師は、そう思えるようになった事を前向きに捉えてくれ、妊婦パワーで元気になることもあるからと、妊活をサポートしてくれた。そして、妊活とサインバルタについてのいくつか情報を提示してくれた。良い面と悪い面、同じだけ話してくれた。

  • サインバルタによる胎児への影響は医学的には明確に確認されていない。
  • 一般的には症状が良くなった後も1年間服用を続けた方が、うつの再発率は低い
  • だいぶ回復はしてきているので、今薬をやめることで大きく症状が崩れることは無いとは思われるが、断薬後も通院は必要。
  • 妊娠期間中は口にするものを通して胎児に影響が出ないかとストレスを抱える可能性はある。薬以外ではなくサプリであっても、心配になるなら止めておいた方が安心、という考えもある。

断薬するかどうかは私に決めさせてくれた。

 

そして、私は1か月かけ徐々に断薬する道を選んだ。

 

まず1〜2週間かけ薬の量を40ミリから20ミリへ徐々に減らし、次に飲む間隔を長くし、そして全く飲まなくした。

完全に断薬して2日目あたりからシャンビリがひどくなり、動けなかった。医師に相談すると、「1週間経った頃から症状が改善していくことが多いから、もう少し頑張ってみましょう」と背中を押してくれた。

断薬中は、イライラして旦那に当たってしまうこともあった。脳内のセロトニンの量が減って、不安感が大きくなっているんだろう、と思った。離脱症状はすぐ治らなかったので、サインバルタの作用やシャンビリについて詳しく旦那に説明した。私の抱えている不安感も全部話し、「自分で脳内の幸せホルモンを出せるようになるために、この断薬を乗り越えたいから協力して欲しい」と、自分だけで抱えていると、余計に旦那が理解してくれていないと感じてしまうので、意識して甘えるようにした。そしたら旦那も優しくしてくれた。と、思う。言い尽くされてきたことだが、夫婦間でも言わないと伝わらないものである。

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その後も2週間経っても離脱症状は良くならず、3週間してようやく徐々に改善し、完全にシャンビリが気にならなくなるまでには1ヶ月ちょっとかかった。これは結構長い方らしい。

断薬時のシャンビリの副作用は医学的には証明されていないらしいが、それでも多くの経験者がいるようだ。座っているだけでも、首から下の至る所がビリビリ痺れてくる。ちょっとでも頭を動かすと「ぐわん」となる。これ、かなりしんどい。そして、いつ治るのだろう、という先が見えない不安感が追いかけてくる。 

でも、いつかは断薬の苦しみは乗り越えなければならないのだ。それに私は妊活したかったし、薬の長期服用はかえってストレスだった。断薬を乗り越えたい、と思えるようになった事は、きっと回復のステップと信じた。

私は、これからは薬なしでうつと付き合っていく。

 

この記事のことは、あくまで私の例で医師の指導のもと行ったこと。断薬は医師と相談しながらが安心安全だ。